青函トンネル物語(読書感想)

青函トンネル物語 津軽海峡の底を掘り抜いた男たち (交通新聞社新書) [ 青函トンネル物語編集委員会 ]
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本州と北海道をつなぐ青函トンネル建設の話。

私は祖父母が北海道にいるので北海道へ行く機会は多かったのですが、いつも飛行機で青函トンネルは通ったことがありませんでした。

関東からだと、飛行機の方が安くて早いんですよね…

しかし高くて時間がかかっても陸路で北海道まで行きたくなりました。

もちろん完成することを知って読んでいるのですが

それでもトラブル続きで、終始「本当にできるの?」と思うと同時に

出来るかわからないことに挑戦し続けることの凄まじさに感動。

文章から戦後日本の勢いが感じ取られます。

「中央アジア横断鉄道建設論」とか。鉄道で東京からロンドンまでつなげるとか。

そういった構想があったのは賛否を抜きにしてロマンがあるなと感じます。

未知のトラブルに遭遇し、そのたびにいろいろな工法で対応する職人の素晴らしさ。

もともと漁師だった人が、この工事をきっかけに作業員になった人がたくさんいます。

毎分85tの漏水事故やそれに理性的に対策する様子。

それを排水ポンプで排水したり、壁面に建材を注入して止水したり

この本を読むまで、片側から掘り進めるものと思っていたのですが

両方から掘って海底地下で合流することに驚きました。

海底を53.85km両側から掘り進めて合流地点で誤差横77.7cm、縦11.5cmって技術力高すぎない?

完工まで19年間。構想から調査含めるとそれ以上かかっており

実際には完工後には航空が発達していてマスコミ世論には「無用の長物」「税金の無駄遣い」と

批判されることになります。

世の中の発展は予測できないし、その時点でやったほうが良いということを

後で判断するのは卑怯です。自身もこういった行動はしないように注意します。

これに比べると自分の仕事なんて

オリンピックレベルと体育授業レベルの差がありますが

少しでも良い仕事ができるように頑張りたいと思える読書体験でした。

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